WBGT28℃以上の屋外作業マニュアル

1. 適用範囲と目的

• 本マニュアルは、WBGTが28℃以上の高温環境下での屋外作業における安全確保を目的としています。
• 厚生労働省の「職場における熱中症予防対策マニュアル（令和5年度版）」および労働安全衛生法・規則に基づいて作成されています。

2. WBGTの基準と対応レベル

• WBGT28〜30.9℃（警戒〜厳重警戒）：体温調節機能が低下した高齢者・疾患保持者にとってリスクが高く、慎重な判断が必要。
• WBGT31℃以上（危険）：すべての作業者に対し原則作業中止が推奨される非常に危険な環境。

3. 対応マニュアル：WBGT28〜30.9℃の場合

• 20分作業ごとに10〜15分の休憩を確保
• 冷却装備（空調服・保冷剤）や日陰の設置を行う
• 水分（1日あたり1.2L以上目安）＋塩分（経口補水液や塩飴）の補給
• 1人作業の禁止：必ず2人以上で作業
• 高齢者・心疾患・腎疾患などのある方は作業見合わせ

4. 対応マニュアル：WBGT31℃以上の場合

• 原則としてすべての屋外作業を中止すること
• やむを得ない場合は、以下をすべて厳守する
• 最小限の人数、最短時間で作業
• 15分ごとに15分以上の冷却休憩を義務付け
• 冷却グッズ、空調服、日陰の設置がなければ作業禁止
• 医療搬送ルート・冷却体制を事前に確保
• 少しでも異常があれば即時作業中止

5. 法律上の義務と参照条文

• 労働安全衛生法第3条・第22条：事業者には労働者の安全・健康確保の義務があります。
• 労働安全衛生規則第617条：高温環境下での作業時には、水分補給、休憩、作業時間の調整が義務付けられています。
• 参考資料：職場における熱中症予防対策マニュアル（厚労省 PDF）
• 違反時：安全配慮義務違反により労働局の指導・是正勧告、場合によっては労災認定・罰則（50万円以下）対象となります。

6. 緊急時・相談窓口

• 熱中症発症時は労災報告の対象となります。
• 対応困難・判断に迷う場合は、産業医、衛生委員会、労働基準監督署に連絡・相談してください。

本マニュアルは2025年7月時点のガイドラインと法令に基づき作成されています。